1万人のデータ

最近、いろんな所で、AGE(終末糖化産物)の話題が取り上げられているようです。長年、この分野の研究に携わってきた私としては、こんな時代が来ようとは夢にも思ってもみませんでした。喜ばしい限りですが、なにやら隔世の感を禁じ得ません。

皮膚に溜まったAGEを簡単に計測できる測定器が開発され、普及しつつありますよね。一つには、AGEが簡単に測られ身近な存在になったことで、みんなが注目するようになってきたのだと思います。

そこで、今日は、我々のビックデータを一つご紹介したいと思います。データは、4年がかりで1万人以上の健康な方々のAGEを皮膚で測定し、AGEの蓄積に関与する生活習慣の影響を詳細に検討したものです。

(論文)
http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/0300060517736914

イギリスの内科系の雑誌に掲載されたこの研究結果によると、AGEは、喫煙、運動不足、精神的ストレス、睡眠不足、朝食抜き、甘い物の過食により、蓄積が亢進する可能性が示唆されました。

このように日頃の食習慣だけではなく、精神的ストレスや睡眠不足もAGEの蓄積に関わっているようですから、アンチAGEを目指していくには、精神的、肉体的、かつ社会的に満たされた状態(WHO、世界保健機構が提唱する健康の定義)でいることが、どうやら大切なようです。

ダイエットや血管機能に対する瞑想の効果が最近、医学雑誌に取り上げられるようになってきています。瞑想やマインドフルネスのAGEへの作用、AGEと心の問題も深く掘り下げて検討していかなければならない研究課題の一つだと思います。

(文:山岸昌一)

山岸昌一先生(久留米大学医学部糖尿病性血管合併症病態・治療学講座教授)1989年金沢大学医学部卒。1995年金沢大学医学部講師。1999年米国ニューヨークアルバートアインシュタイン医科大学に内科研究員として留学。2008年より現職。内科医。日本糖尿病学会、循環器学会、高血圧学会の専門医。糖尿病と心臓病の研究から老化の原因物質AGEに着目。AGEに関する最新データを次々と発表し、その英文論文数は580編を超える(2018年時点)。AGE研究で、アメリカ心臓病協会最優秀賞、日本糖尿病学会賞、日本抗加齢医学会奨励賞などを受賞。最近では、「ためしてガッテン」、「あさイチ」、「たけしのみんなの家庭の医学」、「夢の扉」などのテレビ番組や5大新聞で研究成果が大きく取り上げられる一方、「AGEを抑え、老化を防ぐ方法」について一般向けに啓蒙活動も行っている。著書に「老けたくなければファーストフードを食べるな」(PHP新書)、「老けない人は焼き餃子より水餃子を選ぶ」(主婦の友社)、「AGEためないレシピ」(パンローリング社)、「exAGEハンドブック」(AGE研究協会)など。

AGEについて、山岸先生のお話を聞いてみませんか?今までの生活習慣を見直すきっかけになるかもしれません。

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